— シングルマザーナビ編集部スタッフより、夜中に一人で泣いたことのあるあなたへ —
日中は子どもの世話や仕事に追われ、何とか平静を装っているけれど、夜になって子どもが寝静まった後、ふとした瞬間に押し寄せる離婚後の喪失感や孤独感。私もその感情に何度も襲われたことがあります。夜中に一人で泣いてしまうのは、あなたが頑張っている証拠で、決して弱いわけではありません。
夜の静けさは、昼間に抑え込んでいた感情が解放される時間です。この感情に適切に対処しなければ、心身の健康を損なうことも。この記事では、喪失感を乗り越え、心の安定を取り戻すための具体的な3つのステップと、夜間の緊急対処法を紹介します。
1. 感情を理解する:なぜ「夜中に泣く」のか
夜中に孤独を感じる理由を理解することで、その感情を客観的に見つめることができます。
警戒心の解放と自律神経の切り替わり
日中は「母親」として、また「労働者」としての役割を果たすために、脳は緊張状態にあります。夜になり、安全が確認されると、脳は警戒を緩め、リラックスモードに切り替わります。この緊張の解放とともに、昼間に抑え込んでいた悲しみや不安が一気に噴き出すのです。
過去の記憶との対比
夜は、家族団欒だった過去の記憶や「誰か隣にいてほしい」という現在の現実が鮮明に思い出されやすい時間帯です。この過去と現実の対比が、喪失感や「空虚感」を強く呼び起こします。
慢性的な疲労のサイン
睡眠不足や慢性的な疲労が続くと、感情をコントロールする前頭葉の機能が低下します。これにより、感情の波が大きくなり、些細なことで涙が出やすくなります。
2. Step 1: 感情の「見える化」と「自己肯定」のプロセス
感情をただ放出するだけでなく、その感情を理解し、自分自身を肯定するプロセスを踏んでみましょう。
「感情日記」でアウトプットする
泣きたい感情が湧いてきたら、まずその感情を日記やメモアプリに書き出してみてください。「今、私は〇〇について不安に思っている」「〇〇を失ったことが悲しい」と、感情の原因を言葉にすることが大切です。言語化することで、脳は「この感情は既に処理中である」と認識し、感情の暴走を抑える助けになります。
「泣く時間」と「休む時間」を分ける
泣きたい感情を無理に我慢せず、「今日はこの20分だけは思い切り泣く時間」と決めてみましょう。タイマーが鳴ったら、感情をリセットし、「今は休む時間」と意識的に切り替えます。感情の解放は必要ですが、無限にその感情に浸ることを避けることで、睡眠時間や休息時間を確保できます。
「喪失感」を「回復のサイン」と捉える
喪失感は、あなたがかつて持っていたものを大切に思っていた証拠です。「この辛さは、私が前に進んでいる証拠だ」と自分に言い聞かせ、自己肯定につなげましょう。
3. Step 2: 孤独を埋める「つながり」の再構築
孤独感は、物理的な「誰か」ではなく、「安心できるつながり」の不在によって生じます。新たなつながりを持つことが大切です。
地域の母子福祉団体・交流会へ一歩踏み出す
地域の母子寡婦福祉会や、自治体主催のひとり親交流会に参加してみましょう。そこで得られるのは、単なる情報ではなく、「この悩みは自分だけではない」という共感と安心感です。同じ立場の仲間とのつながりは、孤独感を最も効果的に解消してくれます。
匿名性の高いオンライン相談窓口の活用
24時間対応のいのちの電話や、行政が提供するSNS相談など、匿名で利用できる相談窓口を事前にチェックしておきましょう。夜中に感情が抑えられなくなったとき、すぐに話を聞いてくれる第三者がいるという安心感が、最悪の状況を防ぎます。
趣味や自己投資を通じた「自分の居場所」作り
短時間でもできる趣味や、資格の勉強会などに参加することで、「母親」でも「元妻」でもない「自分」としての居場所を作りましょう。生活に張り合いが生まれ、孤独に耐性を持つことができます。
4. Step 3: 喪失感を「未来への希望」に変える行動療法
思考を変えるだけでなく、具体的な行動で未来をコントロールしている感覚を取り戻しましょう。
「感謝できることリスト」を寝る前に作る
毎日、寝る前に「今日一日で感謝できること」を3つだけ書き出します。例えば、子どもが笑顔だったことや、固定費の削減計画ができたことなど。脳の働きをポジティブな側面に強制的にシフトさせ、否定的な感情で終わるのを防ぎます。
小さな「達成目標」を設定する
「今週は1日30分のウォーキングをする」「今月は固定費を3,000円削減する」といった、すぐに達成可能な小さな目標を設定し、達成したら自分を褒めることが大切です。自分で生活をコントロールできているという感覚を取り戻し、喪失感からくる無力感を打ち消します。
過去の自分と今の自分を比較しない
経済的な状況や生活水準など、離婚前の状況と現在の状況を比較するのをやめましょう。あなたは、困難な状況から子どもと共に再出発している最も強い人間です。
5. 夜間に感情が爆発したときの緊急対処法
物理的な鎮静法として、冷たい水で顔を洗ったり、氷を握ったり、アロマオイルの香りを嗅ぐなど、五感に強い刺激を与えて感情を鎮静させる方法があります。また、信頼できる友人や家族に送るための「助けて。話を聞いてほしい。返信不要」といった定型文を事前に準備しておくと、感情が爆発したときに考える手間なくSOSを出せるようになります。
喪失感は、あなたが新しい幸せに向かうための回復のプロセスの一部です。孤独を乗り越え、自分を大切にしてください。
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