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職場でのマタハラやシングルハラスメントに負けないための証拠集めと自己防衛法

— シングルマザーナビ編集部スタッフより、子どもを抱えて不当な扱いに直面したあなたへ —

夜、子どもが寝静まった後、ふと職場での出来事を思い返すと、胸が締め付けられるような思いがします。シングルマザーとして、子育てと仕事を両立させるために、時短勤務や子どもの看護休暇を利用することが必要なのに、それが逆に職場でのハラスメントの原因になってしまうことがあるんですよね。私もそんな経験をしたことがあります。マタニティハラスメント(マタハラ)やシングルハラスメントに直面すると、昇進の機会を奪われたり、精神的に追い詰められたりすることもあります。

この記事では、そんな不当な扱いに泣き寝入りせず、自分のキャリアと生活を守るために、ハラスメントの定義や法的対処に必要な「完璧な証拠の集め方」、そして具体的な自己防衛の戦略についてお話しします。

目次

シングルマザーが直面しやすいハラスメントの定義と事例

ハラスメントとは、優越的な立場や関係性を利用して、業務の適正な範囲を超えて労働者に精神的・身体的な苦痛を与える行為を指します。特にシングルマザーが直面しやすいのは、以下のようなハラスメントです。

マタハラ(マタニティハラスメント)

法的には、育児休業や子の看護休暇、時短勤務などの制度利用を理由に不利益な取り扱いをすることがマタハラにあたります。具体的には、制度利用を妨害されたり、悪口を言われたり、時短勤務になった途端に不当な降格を命じられたりすることがあります。

シングルハラスメント(家族構成に基づく差別)

家族構成を理由に不快な思いをさせたり、不当な扱いをしたりすることがシングルハラスメントです。具体的には、「パパがいないから、子どもが可哀想だ」といった侮辱的な発言や、「時短だからどうせキャリアアップは考えていないだろう」といった意欲や能力を否定されることが含まれます。

法的対処の鉄則:証拠を完璧に集めるための3原則

ハラスメントの立証は「言った、言わない」になりやすく、非常に困難です。私たちの主観的な「辛い」という感情ではなく、客観的な事実を積み重ねた「証拠」こそが最大の武器になります。

鉄則1: 5W1Hで正確な「被害の記録」を残す

ハラスメントに遭った直後、以下の項目をノートや個人PCに記録します。
When(いつ):ハラスメントが行われた日時(時刻まで正確に)。
Who(誰が):加害者名、目撃者名(証人となる可能性のある人)。
What(何が):具体的な言動(「残業できない人は給料泥棒だ」など、正確なセリフ)。
Where(どこで):発生場所。
被害状況:その言動によって、業務にどのような不利益が生じたか、心身にどのような不調が出たか(頭痛、不眠など)。

鉄則2: 「客観的な証拠」を収集する

暴言や差別的な発言があった際、ICレコーダーやスマートフォンの録音機能で会話を記録します。自分の会話を録音することは違法ではありませんが、利用目的には注意が必要です。また、ハラスメントの指示や内容が含まれるメールや社内チャットの履歴をスクリーンショットで保全することも重要です。

鉄則3: 「被害の記録」としての医療機関の受診

ハラスメントによって不眠、頭痛、胃痛、うつ状態などの心身の不調が出た場合、必ず心療内科や精神科を受診しましょう。医師の診断書は、「ハラスメントによって健康被害を受けた」という客観的で強力な証拠となります。

自己防衛戦略:ハラスメントへの段階別対処法

証拠を集めたら、以下の段階で冷静に対処を進めます。

初期対応:拒否の意思を明確に伝える

ハラスメントを受けた際、すぐに「その発言は不快なのでやめてください」と明確に拒否の意思を伝えましょう。この拒否の言動も、後で証拠として利用できます。可能であれば、メールでその旨を送ることも有効です。

中期対応:社内・社外の相談窓口の活用

社内の人事部やコンプライアンス窓口に証拠を添えて相談します。社内の対応が不十分だった場合、その記録も後の法的措置の証拠となります。また、総合労働相談コーナーに相談することもできます。ここでは無料で相談でき、必要に応じて会社に対して助言や指導を行ってくれます。

最終対応:法的措置への移行

社内での解決が見込めず、退職せざるを得ない状況になった場合、法的措置に移行します。労働審判や民事訴訟を通じて、損害賠償請求を行うことができます。

公的・専門機関のサポート活用法

経済的に余裕がない場合、法テラス(日本司法支援センター)を利用して、無料で弁護士による法律相談を受けたり、弁護士費用の立て替え制度を利用したりできます。ハラスメント問題に強い弁護士に相談し、証拠の精査や会社への書面送付を依頼することで、会社側の対応が変わることもあります。

ハラスメントは、あなたの能力や価値を否定するものではありません。泣き寝入りせず、法的知識を武器に、あなたのキャリアと生活、そして尊厳を守り抜きましょう。

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この記事を書いた人

シングルマザーナビ編集部です。
私たちは “何人かのシングルマザーで運営している小さな編集部” です。

それぞれ働き方も、子どもの年齢も、抱えてきた事情もバラバラ。
でも、夜中のキッチンでスマホを握りしめて検索したあの不安や、
通帳の残高を見てため息をついた日、
子どもに不意打ちで「なんでパパいないの?」と言われて固まった瞬間──
そういう“誰にも言えない体験”は共通していました。

ここでは、私たちが実際に味わってきた悩み・やらかし・小さな成功体験を、
専門家ぶらずにそのまま書いていきます。
「制度の情報」と「心が折れた瞬間」を、ちゃんと並べて置いておける場所にしたいと思っています。

ひとりで踏ん張っているあなたが、
少しでも呼吸しやすくなる記事を届けられたらうれしいです。

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