— シングルマザーナビ編集部スタッフより、夜中に子どもが寝た後の静かなキッチンでの本音を語ります —
シングルマザーとしての恋愛感情は、時に自分でも理解できないほど複雑です。「再婚したい」と思う瞬間がある一方で、「もう結婚なんて嫌だ」と思う瞬間も同時に存在します。この矛盾した感情について、私の経験を交えてお話しします。
「もう結婚したくない」と思う瞬間
前の結婚での失敗を思い出す時
結婚生活を振り返ると、相手との不一致や、親としての責任を押し付けられたこと、自分の気持ちを無視されたことが思い出されます。これらの「失敗の経験」が「再婚への恐怖」に変わり、もうあんな思いはしたくないという気持ちが強くなります。だからこそ、再婚を遠ざけるのです。
自分ひとりの人生が心地よくなった時
子どもが成長し、親としての責任が少しずつ軽くなると、自分ひとりでいる心地よさに気づきます。誰かに気を遣わなくていい、自分のペースで生活できる自由感を知ってしまうと、「再婚してその自由を失うのか」という葛藤が生まれます。
相手の「浮気」「嘘」という話を聞く時
友達の旦那の浮気の話や、SNSでの離婚報告を耳にするたびに、男性不信が深まります。「どうせ、また同じことの繰り返し」と諦めの感情が芽生え、「もう結婚はいいや」という気持ちに変わっていくのです。
子どもが「新しいパパはいらない」と言う時
思春期の子どもが「ママひとりでいい」と言ってくれると、その言葉に嬉しさを感じる一方で、「子どもの気持ちを優先させたら、自分の恋愛はできない」という現実が突きつけられます。子どもの気持ちを無視して再婚することはできないため、「結婚なんて諦めよう」という気持ちが強くなります。
シングルマザー同士で「結婚は幻想」という話になる時
シングルマザー仲間との会話で「結婚なんて幻想」「独身の方が楽」という話が出ると、無理に結婚しなくてもいいんだと開き直る気持ちが生まれます。
それでも「恋したい」と思う瞬間
子どもを見かけるカップルを見た時
公園で親子3人のカップルを見かけると、「あ、いいな」と思う瞬間があります。子どもも「パパとママ、仲良いね」と言っているのを聞くと、もし自分にもパートナーがいたらという想像が湧き、恋したいという気持ちが呼び起こされます。
誰かに支えられたいという気持ちが湧く時
疲れた時、誰かに「大丈夫?」と言ってほしいと思う瞬間があります。その時に親ではなく、パートナーという存在を求めたくなるのです。ひとりで全部やるのは「強さ」かもしれませんが、「誰かに頼りたい」という感情も自然なものです。
自分が女性であることを意識する時
「親」や「労働者」としての自分ばかりを意識していると、ふと「女性」としての自分もいることを思い出します。髪をセットしてメイクをしている時、「誰かに見てほしい」という感情が湧き、恋したいという欲求に繋がります。
友達が新しいパートナーの話をする時
友達が「新しい人ができた」「一緒にいて楽しい」と話すと、「自分も欲しいな」という気持ちが湧きます。この感情は「嫉妬」というよりも「同じ人間として、幸せを感じたい」という気持ちに近いのです。
子どもが「ママの彼氏いないの?」と聞く時
子どもから「ママのパパはいないの?」と聞かれると、「子どもも親のパートナーの存在を意識しているんだ」と気づく瞬間があります。その時、「親として、子どもに与えてあげられるもの」として「親のパートナー」という選択肢もあるのかもしれないと思うようになります。
矛盾した感情が同時に存在する理由
親としての責任と女性としての幸せの衝突
子どもの気持ちを優先させると「自分の幸せ」は二の次になりがちです。しかし「自分の幸せ」を優先させると「子どもに申し訳ない」という気持ちが強くなります。この二つを完全に両立させることは難しいため、「結婚したい」と「結婚したくない」が同時に存在するのです。
過去の失敗と新しい可能性の葛藤
「前の結婚は失敗だった」という過去の経験が「再婚への恐怖」を生み出しますが、「新しい相手は違うかもしれない」という可能性もあるのです。この「恐怖」と「期待」が同時に心の中にあるから、「結婚したくない」と「恋したい」が共存するのです。
経済的な独立と感情的な寂しさ
経済的には「ひとりでやっていける」という自信があっても、「感情的な寂しさ」はお金では埋められません。この「経済的な強さ」と「感情的な弱さ」が、矛盾した欲求を生み出すのです。
この矛盾とどう付き合うか
「完璧な答え」を求めない
「結婚すべき」「結婚すべきでない」という二者択一ではなく、「今は恋はしないけど、いつか出会ったら」という柔軟な考え方を持つことが大切です。その「流動的な状態」を受け入れることが、矛盾と付き合うコツなのです。
子どもの気持ちを尊重しながら、親の気持ちも大事にする
「子ども第一」は大事ですが、「親の気持ちを完全に無視する」のも良くないと思います。親が「自分の気持ちも大事」という姿勢を示すことで、子どもも「人間には複数の気持ちが同時に存在する」という現実を学ぶことができるのです。
「恋愛」と「再婚」を分ける
「恋愛はしたいけど、再婚は考えていない」という人も多いです。恋愛を楽しみながら「再婚」という選択肢は留保しておくことで、恋したいという気持ちも満たされ、結婚はしたくないという気持ちも尊重できるのです。
同じ立場の人との会話を大事にする
シングルマザー同士で「矛盾した感情」について話すと、「あ、自分だけじゃないんだ」と安心感が生まれます。その安心感が「矛盾を受け入れること」に繋がるのです。
最後に
シングルマザーが「結婚したくない」と「恋したい」を同時に感じるのは「矛盾」ではなく「人間らしい複雑性」だと思います。完璧な人間なら「どちらか一つ」に決まるかもしれませんが、「親」「女性」「労働者」という複数の立場を同時に生きている私たちには「複数の気持ち」が同時に存在します。その複雑性の中にも「人間らしさ」と「強さ」があるのです。
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