— シングルマザーナビ編集部スタッフより、子どもが熱を出した夜に泣いたことのあるあなたへ —
『これ、いつまで続くんだろう』って、区役所の待合室で番号札を握りしめながら思っていました。シングルマザーとして、仕事と育児の両立は本当に厳しいですよね。仕事を休むわけにはいかないし、育児をおろそかにするわけにもいかない。そんなプレッシャーが、私たちを慢性的な疲労と孤立へと追い込んでいるのが現実です。
一番の課題は、子どもの急な病気や自分の体調不良、仕事の残業など、突発的な事態に対応するための「代わりの手」がないこと。これをどうにかするためには、孤立したワンオペ状態から脱却し、公的・民間のサービスを「チームのメンバー」として活用することが大切です。
ここでは、シングルマザーが知っておくべき、仕事と育児の両立を支える具体的な公的・民間サービスを紹介します。これらのサービスは、あなたの心身の健康とキャリア維持のための「命綱」となるはずです。
緊急時にキャリアを守る「公的」サービス
子どもの急な病気や学級閉鎖など、仕事への影響が避けられない緊急事態に活用すべき公的な支援サービスを見ていきましょう。
病児・病後児保育
子どもが熱を出したり、体調不良で集団生活が困難な場合、専門のスタッフが病気の子どもを預かってくれる施設があります。これを利用することで、仕事を休まずに済むので、キャリアへの影響を最小限に抑えられます。利用する際のポイントは、事前登録です。多くの施設では、利用前に登録と面談が必要なので、健康なうちに複数の施設への登録を済ませておくと安心です。また、ひとり親世帯には利用料の減免制度が設けられていることも多いので、申請すれば格安で利用できることもあります。
ファミリー・サポート・センター(ファミサポ)
地域の住民同士が子育てを助け合う有償ボランティア制度です。急な残業や会議での送迎・預かり、早朝や夜間の短時間預かり、リフレッシュ目的の預かりなど、様々なケースで利用できます。ひとり親世帯は利用料金が助成される場合があるので、自治体の福祉課に確認してみてください。信頼関係を築くために、一人の支援者を固定できると、緊急時にも頼みやすくなりますよ。
児童扶養手当受給者等に対するサービス
児童扶養手当を受給している、または同等の所得水準のひとり親世帯には、さまざまな優遇策があります。例えば、JRの通勤定期券が3割引きで購入できることや、水道・下水道料金の減免制度などがあるんです。申請は必要ですが、利用しない手はありません。
日常の負担を軽減する「民間」サービス
公的サービスではカバーしきれない日常的な家事負担や、突発的なニーズに応える民間のサービスも活用していきましょう。予算はかかりますが、「時間と心のゆとりを買う」投資として捉えるのがポイントです。
家事代行サービス(スポット利用)
日常的な家事のすべてを依頼するのは難しいけれど、週に一度や月に一度の「スポット利用」で大きな負担を解消できます。特に水回りの掃除や作り置き代行は、プロに任せると楽になりますよ。初回限定の格安お試しプランを利用して、サービス内容やスタッフとの相性を確認してから定期利用を検討するのがオススメです。
食材宅配サービス・ミールキット
献立を考える手間や買い物に行く手間を大幅にカットできる食材宅配サービスやミールキット。カット済みの野菜と調味料がセットになったミールキットは、調理時間が15分程度で済むので、忙しいシングルマザーにはぴったりです。ネットスーパーを利用すれば、仕事の休憩時間や通勤中に注文して、帰宅後に自宅に届けてもらえるので、重い荷物を持って子どもを連れて買い物に行く労力もゼロにできます。
ベビーシッターサービス
ファミサポより費用は高くなりますが、専門性と柔軟性が高いのが特徴です。深夜・早朝の仕事や受験・習い事の送迎、病児保育の代替など、様々な状況で利用できます。勤務先が内閣府の企業主導型ベビーシッター割引券の対象になっているか確認して、割引券を利用すれば大幅な費用負担の軽減が可能です。
キャリア継続のための「教育・訓練」支援
仕事の安定は、長期的な生活の安定に不可欠です。スキルアップを目指すシングルマザーを支援する制度もあります。
自立支援教育訓練給付金
ひとり親が、就職やキャリアアップに有利な資格やスキルを取得するための費用を支援する制度です。医療事務や介護職員、Webデザイン、簿記などの資格取得講座が対象になります。
高等職業訓練促進給付金
特に就職に有利な資格(看護師、介護福祉士、保育士など)を取得するために、長期間の訓練期間中の生活費を支援する制度です。訓練を受けている期間中は月額10万円(非課税世帯の場合)が支給されるので、キャリアチェンジを目指すシングルマザーには強力な制度です。
ハローワークの積極的活用
ハローワークは、単なる求人紹介の場ではなく、ひとり親の就職支援に特化した専門の相談員が配置されている場合もあります。経済的な状況や子育ての状況を考慮した就職相談や履歴書作成、面接対策などをマンツーマンで受けられるので、ぜひ活用してみてください。
助けを求めることは「賢さ」の証明
「人に頼るのは悪いことだ」と思ってしまう気持ち、すごくわかります。でも、それは限界を早める原因になっちゃう。公的・民間のサービスを利用することは、子どもの生活を守り、自分の仕事を継続させるための賢い選択です。
今日紹介したサービスを、地域の福祉課の窓口やインターネットで確認して、いざという時の連絡先リストを作成しておくことが大切です。その準備が、あなた自身と大切な子どもの未来を守ることにつながります。
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