— シングルマザーナビ編集部スタッフより、不動産屋の帰りに泣いたことのあるあなたへ —
50代になって、ふと「老後」のことが現実の重さを増してくる瞬間ってありますよね。私もねんきん定期便を手にして、しばらく開けられなかったことがあります。子どもの学費に追われてきた日々の先に、自分の生活費という見えない壁が立ちはだかる。貯金がほとんどないまま、その壁にどう立ち向かえばいいのか、途方に暮れてしまう気持ち、よくわかります。
「貯金ゼロ」はあなただけじゃない。むしろ同じ境遇の人が多いんです
ニュースで「50代の平均貯蓄額は1000万円超え」と聞くと、余計に焦ってしまいますよね。でも、あの数字は一部の裕福な人たちが引き上げているだけで、私たちの実感とはかけ離れています。実際の中央値は50代の単身世帯で50万〜100万円程度、そして貯金ゼロの人も3〜4割もいるというデータもあります。
私自身も、子どもにかかるお金を優先してきた結果、貯金はほぼゼロでした。だから、貯金がないことを自分の怠けだと責める必要はありません。子育てという大きな仕事に全力を注いできた証ですから。
「ねんきん定期便」を開けるのが怖かった夜のこと
あの青い封筒、私も届いてから一週間くらい放置してしまいました。開けるのが怖くて、胃が重くて眠れなかったんです。年金の見込み額を知ると、月に5万円台や10万円台という数字に、現実の厳しさを突きつけられました。
私の場合、パートで働いていた期間が長かったので、年金は国民年金だけの月5.5万円に近い額。家賃や光熱費を払ったら、残るのはほんのわずかです。そんな数字を前にして、どうやって生活していけばいいのか、途方に暮れました。
50代からでもできる、老後の生活を守るための小さな工夫
それでも、まだ諦めるわけにはいきません。私たちには、これまでの経験と、まだ動ける体があります。ここからは、私が実際に試したり、周りのシングルマザー仲間が話してくれたことをお伝えします。
住まいの見直しで家計の負担を減らす
子どもが独立した後、広い家に一人で住み続けるのは、正直もったいないです。私も不動産屋からの帰り道、狭いけど家賃が安いアパートを探しているときに涙が出ました。けれど、家賃を3万円台に抑えられれば、10年で数百万円の節約になります。
公営住宅の申し込みも何度かしました。収入によっては、家賃がかなり抑えられるので、諦めずにチャレンジしてみる価値はあります。
働けるうちは、無理のない範囲で長く働く覚悟を
60歳で仕事を辞めるのは、私たちにとっては贅沢な話かもしれません。私自身、体力的にキツイ仕事は続けられないので、今は座り仕事や家事代行の仕事を探しています。月に8万円でも働ければ、年金と合わせて生活費の足しになります。
長く働くことは、老後の不安を少しでも減らすための現実的な方法です。体調と相談しながら、無理のない働き方を見つけていきたいですね。
子どもの自立が、親の老後を支える
私たちシングルマザーは、つい子どもにお金をかけすぎてしまうことがあります。私も「お米送ろうか」と思うことがありますが、老後資金がない今、それは自分の首を絞めることだと気づきました。
子どもには、正直に「お母さんはこれから自分の生活を守るためにお金を使う」と伝えています。経済的に自立してもらうことが、結果的に親子ともに助かる道だと思います。
最後に。私たちは、何度も困難を乗り越えてきたサバイバルのプロです
数字を見ると、どうしても不安になりますよね。私も何度も気が遠くなりました。でも、離婚や子育ての嵐をくぐり抜けてきた私たちには、知恵と根性があります。
2000万円の貯金がなくても、家賃を抑えて自炊を続け、無理のない範囲で働けば、なんとかやっていけるものです。日本には生活保護や医療費の助成など、助けてくれる制度もあります。
だから、どうか自分を責めないでください。今日もご飯を作って子どもを寝かせた。それだけで、もう十分です。ゆっくり休んで、また明日を迎えましょう。
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