シングルマザーが賃貸物件を探すとき、「審査に通りにくい」という現実に直面します。私も何度も断られて、本当に辛い思いをしました。
でも、ポイントを押さえれば審査は通ります。今回は、私が実際に経験した賃貸審査の厳しさと、それを乗り越えた方法をお伝えします。これから引っ越しを考えている方の参考になれば嬉しいです。
なぜシングルマザーは審査に通りにくいのか
収入が不安定と思われる
賃貸の審査で一番重視されるのは「安定した収入があるか」です。
大家さんや管理会社が心配すること
- 家賃を払い続けられるか
- 突然仕事を辞めないか
- 養育費が止まったらどうするか
二人親家庭なら、どちらかが働けなくなっても、もう一人が支えられます。でもシングルマザーは自分一人の収入だけ。だから「リスクが高い」と判断されてしまうんです。
私も不動産屋さんに「お一人で子育てと仕事の両立、大変ですよね」と言われたことがあります。心配してくれてるのは分かりますが、それが審査に影響するのは悔しいです。
子どもの騒音トラブルを懸念される
子どもがいると、騒音問題を心配されます。
懸念されること
- 走り回る音
- 泣き声
- 友達を呼んで騒ぐ
特に小さい子どもがいると、「夜泣きで苦情が来るんじゃないか」と思われがちです。
実際、以前住んでいたアパートで下の階から「子どもの足音がうるさい」とクレームが来たことがあります。それ以来、物件探しのときに「子どもがいます」と伝えると、明らかに渋い顔をされるようになりました。
母子家庭への偏見
残念ながら、今でも母子家庭への偏見はあります。
よくある偏見
- 生活が乱れている
- 男性の出入りが多い
- トラブルを起こしやすい
こんな偏見を持っている大家さんや管理会社もいます。私たちは普通に真面目に生活しているのに、こういう目で見られるのは本当に腹立たしいです。
審査で見られるポイント
家賃と収入のバランス
審査で最も重視されるのは、収入に対して家賃が適正かどうかです。
一般的な基準 家賃は月収の3分の1以下が理想です。
計算例
- 月収18万円の場合:家賃6万円まで
- 月収24万円の場合:家賃8万円まで
- 月収30万円の場合:家賃10万円まで
ただし、シングルマザーの場合、この基準より厳しく見られることがあります。月収の4分の1以下じゃないと通らないこともあります。
雇用形態と勤続年数
どんな働き方をしているかも重要です。
審査に通りやすい順
- 正社員(勤続3年以上)
- 正社員(勤続1年以上)
- 契約社員・派遣社員
- パート・アルバイト
- 無職・生活保護
私がパートだった頃は、審査に3回連続で落ちました。正社員になってからは、スムーズに通るようになりました。
貯金の有無
貯金があると、審査に有利です。
貯金が見られる理由
- 緊急時に家賃が払えるか
- 計画的にお金を管理できるか
- 初期費用を払えるか
通帳のコピーを求められることもあります。最低でも家賃の3ヶ月分〜6ヶ月分の貯金があると安心です。
私の場合、貯金50万円の通帳コピーを提出して、ようやく審査に通りました。
審査に通りやすくする対策
家賃の安い物件を選ぶ
まず大前提として、収入に見合った物件を選んでください。
目安
- 月収18万円なら、家賃5万円以下
- 月収24万円なら、家賃6万円〜7万円
- 月収30万円なら、家賃8万円〜9万円
「ちょっと背伸びすれば…」と思っても、審査は通りません。むしろ余裕を持った物件を選ぶことで、審査に通りやすくなります。
収入証明をしっかり準備する
収入を証明できる書類を揃えましょう。
必要な書類
- 源泉徴収票(会社員の場合)
- 給与明細3ヶ月分
- 確定申告書(自営業の場合)
- 児童扶養手当の証書(手当も収入として見てもらえる場合あり)
私は児童扶養手当の証書も一緒に提出して、「実質的な年収はもっと高いです」とアピールしました。
連帯保証人を立てる
連帯保証人がいると、審査はグッと通りやすくなります。
理想的な連帯保証人
- 両親や兄弟姉妹
- 安定した収入がある
- 持ち家がある
もし親族に頼めない場合は、保証会社を利用することになります。保証会社の審査は親族保証より厳しいですが、通らないわけではありません。
私は最初、母親に保証人になってもらいました。今は保証会社を使っています。
正社員になってから探す
可能なら、正社員になってから物件を探すのが一番確実です。
正社員のメリット
- 審査が通りやすい
- 家賃の上限が上がる
- 初期費用のローンも組みやすい
私はパート時代、何度も審査に落ちました。でも正社員になった途端、すんなり通るようになりました。
急いで引っ越す必要がないなら、まず正社員を目指すことをおすすめします。
シングルマザーに優しい物件の探し方
公営住宅を狙う
審査に通りにくいなら、公営住宅が一番の選択肢です。
公営住宅のメリット
- ひとり親家庭は優先入居できる
- 家賃が収入に応じて決まる(月1万円〜3万円台も)
- 保証人不要の場合が多い
デメリット
- 倍率が高い(10倍〜30倍)
- 抽選なので運次第
- 築年数が古い物件が多い
私は公営住宅に3回目の応募で当選しました。家賃が4万円から1万5千円になって、本当に助かっています。
UR賃貸住宅も選択肢
UR賃貸住宅は、保証人不要で礼金もゼロです。
UR賃貸のメリット
- 保証人不要
- 礼金なし、仲介手数料なし
- 更新料なし
- 子育て割引がある場合も
条件
- 家賃の4倍以上の月収が必要
- または貯金が家賃の100倍以上
私の友人はUR賃貸に住んでいて、「初期費用が安くて助かった」と言っていました。
シングルマザー向け物件を扱う不動産屋
最近は、シングルマザーに理解のある不動産会社も増えています。
探し方
- 「シングルマザー 賃貸 歓迎」で検索
- NPO法人が運営する住宅支援サービス
- 自治体の住宅相談窓口
こういうところは、最初から「シングルマザーOK」の物件だけを紹介してくれるので、無駄に断られることが減ります。
審査を通すための交渉テクニック
不動産屋に事情を正直に話す
隠すより、正直に話した方がうまくいきます。
伝えるべきこと
- シングルマザーであること
- 収入は少ないが、手当と合わせれば問題ないこと
- 子どもの年齢と人数
- 前の住居でトラブルがなかったこと
私は「子どもは小学生で、日中は学校なので静かです」「前のアパートでは5年間、一度もクレームはありませんでした」とアピールしました。
初期費用を多めに払う意思を示す
お金に余裕があるなら、初期費用を多めに払う提案も有効です。
例
- 敷金を2ヶ月分払う(通常1ヶ月)
- 家賃を半年分前払いする
- 礼金を追加で払う
これをすると、「ちゃんとお金を管理できる人」という印象を与えられます。
内見時の印象を良くする
内見のときの態度も、意外と見られています。
気をつけること
- 清潔な服装で行く
- 子どもを連れて行く場合、静かにさせる
- 挨拶をきちんとする
- 質問は具体的にする
だらしない格好で行ったり、子どもが走り回っているのを放置したりすると、「この人に貸して大丈夫かな」と思われます。
審査に落ちたときの対処法
理由を聞いてみる
審査に落ちたら、なぜ落ちたのか聞いてみましょう。
教えてもらえる場合もある
- 収入が足りなかった
- 保証人の条件が合わなかった
- 他の申込者が優先された
理由が分かれば、次の物件探しに活かせます。
条件を見直す
何度も落ちるなら、条件を見直してください。
見直すポイント
- 家賃をもう1万円下げる
- 築年数が古い物件も検討する
- 駅から遠い物件も見る
- 1階の物件を選ぶ(子どもの足音が響かない)
私は最初、「駅近、築10年以内」にこだわっていましたが、諦めて「駅徒歩15分、築25年」の物件にしたら、すぐに通りました。
別の不動産屋に変える
不動産屋によって、得意な物件が違います。
不動産屋を変えるメリット
- 別の大家さんの物件を紹介してもらえる
- シングルマザーに理解のある不動産屋が見つかる
- 審査の通し方のノウハウが違う
A社で断られた物件でも、B社経由なら通る、ということもあります。
入居後に気をつけること
家賃は絶対に遅れない
入居できたら、家賃は絶対に遅れないでください。
家賃滞納のリスク
- 信用を失う
- 次の更新ができなくなる
- 最悪、退去させられる
どうしても払えない月は、事前に管理会社に相談してください。黙って滞納するのが一番ダメです。
近所付き合いを大切に
子どもの騒音トラブルを防ぐため、近所との関係は大切にしましょう。
やるべきこと
- 引っ越しの挨拶は必ずする
- 「子どもがうるさくしたらすみません」と一言添える
- 廊下や階段で会ったら挨拶する
私は引っ越しのとき、上下左右の部屋に500円程度の菓子折りを持って挨拶に行きました。それ以来、子どもが多少騒いでも、苦情は来ていません。
まとめ:諦めずに探せば必ず見つかる
シングルマザーだと賃貸審査は厳しいです。でも、諦めずに探せば、必ず理解のある大家さんや物件は見つかります。
大事なのは、収入に見合った物件を選ぶこと、正直に状況を伝えること、そして審査に通りやすくなる準備をすることです。
私も何度も断られて心が折れそうになりましたが、今は良い物件に住めています。あなたもきっと大丈夫です。頑張りましょう。
コメント