「シングルマザーって実際どれくらい稼いでいるの?」「私の年収は平均より上?下?」と気になりますよね。でも、平均年収を知るだけでは意味がありません。
大事なのは「自分が現実的に稼げる額」を知ることです。今回は、統計データと私の実体験、周りのシングルマザー仲間の話をもとに、リアルな収入事情をお伝えします。
シングルマザーの平均年収【最新データ】
統計で見る平均年収
厚生労働省の調査によると、母子家庭の平均年収は約236万円です。
内訳はこうなっています
- 就労収入:約200万円
- 養育費:約48万円(受け取っている人の平均)
- 児童扶養手当など:約44万円
ただし、この数字には注意が必要です。養育費をもらっている人は全体の約24%しかいません。つまり、76%の人は養育費なしで生活しているということです。
雇用形態別の平均年収
働き方によって年収は大きく違います。
正社員 平均年収:約305万円
- 安定した収入
- ボーナスあり
- 昇給のチャンスあり
パート・アルバイト 平均年収:約133万円
- 時間の融通がきく
- 残業が少ない
- 収入は不安定
派遣社員 平均年収:約175万円
- 正社員より時給が高い場合も
- 契約更新の不安がある
- ボーナスなしが多い
私の周りを見ても、正社員とパートでは倍以上の年収差があります。
学歴・年齢別の現実的な年収
学歴による収入の違い
正直に言うと、学歴で年収は変わります。
高卒の場合
- 20代:年収180万円〜220万円
- 30代:年収200万円〜280万円
- 40代:年収220万円〜320万円
事務職やサービス業が中心になります。資格を取れば年収アップのチャンスがあります。
短大・専門卒の場合
- 20代:年収200万円〜260万円
- 30代:年収240万円〜340万円
- 40代:年収260万円〜380万円
保育士、看護師、医療事務など、専門職に就ければ安定した収入が得られます。
大卒の場合
- 20代:年収240万円〜300万円
- 30代:年収280万円〜400万円
- 40代:年収320万円〜480万円
管理職や専門職に就けるチャンスが広がります。ただし、シングルマザーの場合、残業や転勤が難しく、キャリアアップが制限されることも多いです。
年齢で変わる稼ぎやすさ
年齢によっても現実的に稼げる額は変わります。
20代のシングルマザー 子どもが小さく、病気も多い時期です。
- フルタイム勤務が難しい
- 転職もしやすいが、スキル不足
- 現実的な年収:180万円〜250万円
30代のシングルマザー 子どもが小学校に入り、少し楽になる時期です。
- フルタイム勤務が可能になる
- 経験を活かして転職できる
- 現実的な年収:220万円〜350万円
40代のシングルマザー 子どもが中高生になり、手がかからなくなります。
- 残業もできるようになる
- 管理職のチャンスも
- 現実的な年収:250万円〜400万円
私は今30代後半ですが、子どもが小学校高学年になって、ようやくフルタイムで働けるようになりました。20代の頃は年収180万円でしたが、今は280万円です。
職業別の年収相場
事務職
一般事務
- パート:時給1,000円〜1,300円(年収150万円〜200万円)
- 正社員:年収240万円〜320万円
残業が少なく、土日休みなので人気ですが、給料は低めです。
医療事務
- パート:時給1,100円〜1,400円(年収170万円〜220万円)
- 正社員:年収250万円〜340万円
資格があると有利です。私の友人は医療事務の資格を取って、年収が50万円上がりました。
販売・サービス業
スーパー・コンビニ
- パート:時給1,000円〜1,200円(年収140万円〜180万円)
- 店長:年収280万円〜350万円
シフトの融通がきくので、子育てと両立しやすいです。
飲食店
- パート:時給1,050円〜1,300円(年収150万円〜200万円)
- 店長:年収300万円〜400万円
夜の時間帯は時給が高いですが、子どもを一人で留守番させることになります。
専門職
看護師
- 正職員:年収400万円〜550万円
- パート:時給2,000円〜2,500円(年収300万円〜400万円)
シングルマザーに人気の職業です。夜勤手当で年収が大きく上がります。
保育士
- 正職員:年収280万円〜380万円
- パート:時給1,200円〜1,500円(年収180万円〜240万円)
給料は高くないですが、子どもの預け先に困らないメリットがあります。
介護職
- 正職員:年収280万円〜400万円
- パート:時給1,200円〜1,600円(年収180万円〜250万円)
資格を取れば年収が上がります。夜勤をすれば月に5万円〜8万円プラスになります。
手当を含めた実質的な収入
手当込みで考える
シングルマザーの場合、給料だけでなく手当も収入に含めて考えましょう。
年収200万円の場合の実質収入
- 給料手取り:約165万円
- 児童扶養手当:約50万円(子ども1人)
- 児童育成手当:約16万円(東京都など)
- 実質年収:約231万円
年収300万円の場合の実質収入
- 給料手取り:約240万円
- 児童扶養手当:約15万円(子ども1人)
- 児童育成手当:約16万円(東京都など)
- 実質年収:約271万円
このように、年収200万円と300万円では、実質的な手取りの差は40万円程度しかありません。
年収の壁を意識する
手当が減る「年収の壁」を知っておくことが大切です。
160万円の壁 児童扶養手当が満額もらえるライン。これを超えると手当が減り始めます。
365万円の壁 児童扶養手当がゼロになるライン。この前後では実質的な手取りがほとんど変わりません。
だから、年収を上げるなら一気に400万円以上を目指すべきです。中途半端に300万円台だと、手当が減って逆に苦しくなることもあります。
年収アップのための現実的な方法
資格を取って転職する
一番確実なのは、資格を取って専門職に転職することです。
おすすめの資格
- 看護師(准看護師):年収100万円以上アップも可能
- 介護福祉士:年収50万円アップ
- 医療事務:年収30万円アップ
- 登録販売者:年収20万円〜40万円アップ
ハローワークの職業訓練や、ひとり親家庭の支援制度を使えば、無料または安く資格が取れます。
正社員を目指す
パートから正社員になるだけで、年収が100万円以上変わります。
正社員のメリット
- ボーナスがもらえる
- 昇給がある
- 雇用が安定している
- 社会保険が充実している
最初はパートで入っても、1年〜2年働いて正社員登用試験を受けるという道もあります。私もこの方法で正社員になりました。
副業で収入を増やす
本業で年収を上げるのが難しい場合、副業という選択肢もあります。
シングルマザーにおすすめの副業
- 在宅ライティング:月2万円〜5万円
- データ入力:月1万円〜3万円
- ハンドメイド販売:月1万円〜10万円
- ブログ・アフィリエイト:軌道に乗れば月5万円以上
ただし、副業で年収20万円を超えると確定申告が必要です。また、児童扶養手当の計算に含まれるので注意してください。
私も在宅でライティングの副業をしていて、月に3万円ほど稼いでいます。年間36万円のプラスは大きいです。
現実的に目指すべき年収
生活レベル別の必要年収
どれくらいの年収があれば、どんな生活ができるのか整理します。
年収200万円(手当込み250万円)
- 月の生活費:約18万円
- 家賃:6万円まで
- 貯金:ほぼできない
- 生活レベル:かなり切り詰めた生活
年収300万円(手当込み330万円)
- 月の生活費:約24万円
- 家賃:7万円〜8万円
- 貯金:月2万円〜3万円
- 生活レベル:普通の生活ができる
年収400万円(手当なし)
- 月の生活費:約28万円
- 家賃:9万円まで
- 貯金:月5万円〜7万円
- 生活レベル:余裕のある生活
私の経験から言うと、最低でも手当込みで年収300万円ないと、子どもに習い事をさせたり、旅行に連れて行ったりする余裕がありません。
年齢別の目標年収
現実的な目標年収を年齢別に設定しましょう。
20代の目標
- 最低ライン:年収200万円(手当込み250万円)
- 理想:年収250万円(手当込み300万円)
この時期は子育てが大変なので、無理に年収を上げようとせず、資格取得など将来への投資をする時期です。
30代の目標
- 最低ライン:年収250万円(手当込み300万円)
- 理想:年収350万円(手当込み380万円)
子どもが小学生になり、フルタイム勤務や資格を活かした転職ができる時期です。
40代の目標
- 最低ライン:年収300万円
- 理想:年収400万円以上
この時期までに年収400万円を達成できれば、子どもの大学費用も何とか工面できます。
まとめ:平均に惑わされない
シングルマザーの平均年収は236万円ですが、これはあくまで平均です。大事なのは、自分が今どれくらい稼いでいて、これからどれくらい稼げるようになりたいかです。
年収が低くても、手当を上手に活用すれば生活はできます。でも、子どもが大きくなるにつれて教育費がかかるので、少しずつでも年収を上げていく努力は必要です。
焦らず、でも諦めず、自分のペースで年収アップを目指していきましょう。
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